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“クールと滑稽”を自在に操る中岛健人 独自の三枚目キャラを确立
中岛健人(27才)と小芝风花(24才)がダブル主演を务め、盛况のうちに幕を闭じたド
ラマ‘彼女はキレイだった’(カンテレ・フジテレビ系)。韩国の人気ドラマが原作で
、中国でもリメイクされた大ヒット作品とあって、放送を重ねる度に注目を集めていた
が、特にはまり役と话题となっていたのが中岛の器用な演技だ。中岛の魅力について、
映画や演剧に详しいライターの折田侑骏さんが解说する。
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とある雑志编集部を舞台に、中岛演じるイケメンエリートと小芝扮する残念女子が巻
き起こすラブコメディを描いたドラマ‘彼女はキレイだった’。本作は、2015年に韩国
で放送された同名作品を日本版としてリメイクしたもの。日本でも多くのファンを获得
している作品のリメイクとなれば高いハードルが生まれるが、原作ファンも纳得のドラ
マに仕上がっていたようである。
あらすじはこうだ。幼驯染みの长谷部宗介(中岛)との17年ぶりの再会を楽しみにし
ていた佐藤爱(小芝)。しかし再会の日、その场に现れた宗介はいかにもエリート然と
した好青年で、かつての冴えない面影は无くなっていた。一方の爱は、かつての优等生
少女の面影はなく、宗介はあっさりと彼女の真横を通り过ぎてしまう。悲しみに暮れて
いたある日、爱が働くことになった雑志の编集部の副编集长として宗介が着任すること
になる。真実を言えないまま、宗介との奋闘の日々が始まる。
本作で描かれるのは宗介と爱の関系だが、彼らを中心に四角関系が展开するのも本作
の见どころの一つ。爱の亲友・梨沙役として登场する佐久间由衣(26才)は、爱の頼み
で“自分が佐藤爱だ”と伪り宗介の前に现われるも次第に宗介に惹かれていき、友情と
爱情の狭间で揺れる姿を丹念に演じて作品に紧张感を与えていた。また、编集部员の樋
口役を演じた赤楚卫二(27才)も、いつも爱を励ます青年を快活に演じ上げ、作品のト
ーンに弾みをつける好演を残した。
俳优たちの息の合った挂け合いが大きな魅力の本作だが、その中でも特に“クールな二
枚目”と“爱娇ある三枚目”を自在に操って见せた中岛の演技はさすがの一言だった。
彼の新たなハマり役が生まれた印象だ。
中岛といえば、そもそも“二枚目と三枚目”という役どころに长けた俳优だ。过去作
を振り返ってみれば明らかだろう。2018年に公开された映画‘ニセコイ’では、亲の言
いつけによって好きでもない女子と“伪物の恋”をしなければならない高校生を演じた
。乱暴な彼女に翻弄されるシーンはオーバーでコミカルな演技に彻するも、そんな彼女
に対して揺れる心情は细やかな演技で表现していたのが印象に残っている。一年前に放
送されたドラマ‘未満警察 ミッドナイトランナー’(日本テレビ系)においては、冷
静で头脳明晰ながらも、どこか间の抜けた警察学生に扮していたことが记忆に新しい。
いずれの作品でも中岛は、クールな一面と滑稽な一面という対照的な役を大胆に披露し
た。もはや彼は、独自の“三枚目キャラ”を确立していると言っても过言ではないよう
に思う。
本作‘彼女はキレイだった’もラブコメとあって、“ラブ”の侧面には中岛の二枚目
な一面が、“コメディ”の侧面には三枚目な一面が强く表れていた。梨沙を爱だと信じ
ていた时のセリフの発し方や身のこなしは、どれを取っても絵に描いたような二枚目ぶ
り。対して、ただの部下である爱に少しずつ惹かれていく过程では、ギャグにも见えか
ねないオーバーな挙动で“ニューヨーク帰りのエリート像”を崩し、爱娇ある三枚目っ
ぷりで多くの视聴者に惊きと笑いをもたらした。
しかし、中岛が演じた宗介は、単纯に二分化できるものでもないかもしれない。この
物语は、最初は自信のない爱が情热を注げるものを见つけ、辉いていく姿を通して、宗
介の傲慢な性格も変わっていくさまを描いている。职场の上司としての宗介の颜や、や
がて爱に幼驯染みとして见せる颜、そして爱する存在に向ける颜など、これまでの中岛
の出演作の中でも、最も多くの彼の复雑な表情が见られた作品なのではないだろうか。
二枚目と三枚目を自在に操る彼だからこそ为せる、多彩な表现だったように思う。
【折田侑骏】
文笔家。1990年生まれ。映画や演剧、俳优、文学、服饰、酒场など幅広くカバーし、映
画の剧场パンフレットに多数寄稿のほか、映画トーク番组“活弁シネマ倶楽部”ではMC
を务めている。