[情报] 1st LIVEのレポート&インタビューが公开

楼主: mtskyoko (千草)   2017-08-31 09:09:03
来源:公式Line https://lineblog.me/megumi_hayashibara/archives/603358.html?t=1
1st LIVEのレポート&インタビューが公开♪
2017/8/31 10:00
おはようございます スタッフです
6月11日に开催された“林原めぐみ 1st LIVE -あなたに会いに来て-”
のオフィシャルレポートが公开となりました
今回、ライブを终えためぐさんのインタビューもありますっ
http://king-cr.jp/tdirect_web3/artist/hayashi/1st_live/report.html
上列网页长文(超长文):
林原めぐみ 1st LIVE -あなたに会いに来て-
2017年6月11日(日) 
中野サンプラザ(サンプラザホール)
WOWOWにて9/9(土)夜10:00~放送决定!
レポート
インタビュー
オフィシャルレポート
歌手デビューから四半世纪以上、生诞から半世纪を経て开催となった林原めぐみの1st
ライブ。
発表されるやネットは大騒ぎになり“ビートルズの初来日に匹敌する冲撃”といったツ
イートも飞び交った。
林原本人は“ネットで书かれることはね……”と苦笑いしていたが。
“とにかく林原らしいものには间违いなくなります。里のテーマは不亲切”と事前の取
材で话していた。
 特に派手なセットも见られない中野サンプラザのステージ。开演时间が来て场内が
暗転すると、ザーッ、ザーッと穏やかな波の音が。フロアの布も波打つ。ここは海……

“今日、私のところに、ビンに入った手纸が届きました。懐かしい、あの人から”
 その爱らしい声は、海の底の“梦の国”のプリンセスの、あの女の子だ。
ゆっくり、手纸の声が送り主=林原めぐみに変わっていく。
 梦に対して缀られたその手纸は“中野で待っています”と缔められた。
それをうけて、
“もっちのろんろん! とっておきの魔法、ひさしぶりに使っちゃおう”と
女の子が元気いっぱいに答えて出挂けると、ステージに林原が现れた。
ピンクのフワッとした服にデニムのジャケットを羽织り、ハットをかぶって。
両手を头の上でクラップさせながら、明るく歌い出したのは“梦を抱きしめて”。
‘魔法のプリンセス ミンキーモモ’(91~92年)の后期OPテーマ。
今はヴォーカルに柔らかい大人の包容力を感じさせる。
続く后期EDテーマだった“好きより大好きミンキースマイル!”は、シャレたジャズア
レンジの<Grow up Version>で。
ステージを歩きながら歌い、“パラリルパラリルドリリンパ!”の呪文パートも粋な感
じで軽やかに。
2曲とも冈崎律子さんによる楽曲で、5月に発売されたトリビュートアルバム‘with you
’にも収录されていた。
 そして、无人のスタンドマイクにスポットライトが当たる。
“春 はなが咲く道~”とモモの静かな歌声から、最终回のエンディングで流れた“约
束”。
“もっとそばにいて~”と、もう1本のスタンドマイク前の林原の歌に切り替わり、2人
のデュエットとなった。
これも‘with you’収录の<MOMO&MEGU Version>。
しっとり歌い上げられ、间奏では、2人の会话も交わされた。
林原めぐみにしかできないパフォーマンス。
 林原が腕をゆっくりと天に突き上げると、场内は再び暗転。
雑踏のSE。スクリーンにはサンドアートで江戸を思わす古い街并みが描かれていく。
そこへ、また聴き覚えのある3人の声。
“えっと、サンプラザ中野、サンプラザ……”
“こっちで合ってるのかな?”
“右も左もわかんねえまま、いきなり飞び出すから、こーゆーことになるんだよ、った
く!”
“だって、お手纸うれしかったんだもん。みんなにまた会えるんだ! と思ったら、い
てもたってもいられなかったんだもん”
どうやら 林原はいろいろなキャラクターたちに手纸を书いて、中野サンプラザへ招い
たようだ。
サンドアートは街并みから富士山へ変わり、中野へ向かう3人はスマホのAIで道を探し
ながら、スクリーン内のサンドアートは、见事に中野サンプラザのビルを形作り、3人
も到着した模様。
“みんなに会いにいこう!”と気势を上げたところで、林原が黄色いヘアターバンに白
い着物リメイクの衣裳でお出まし。
マリオネットダンスから端正な声で歌ったのは、‘セイバーマリオネットJ’(96~97
年)のOPテーマ“Successful Mission”。
サンドアーティストの伊藤花りんさんもステージの端で、雨、不穏な云、空から见つめ
る瞳……と流れるように絵柄を変えてスクリーンに投影させ、歌との生コラボを见せた

 林原はさらに“hesitation”“I’ll be there”と、OVA版‘またまたセイバーマリ
オネットJ’(97~98年)の曲をたたみ挂ける。
この作品络みではヴォーカルにしなやかな强さが出て刺さった。
衣裳の长い袖を振り回しながらの振りもダイナミックで、视覚的な见応えもたっぷり。
场内では各曲のイントロから歓声が上がった。
 また暗転から、懐かしのラジオドラマ‘热血电波倶楽部’のジングルが流れ、ステ
ージには、ポツンと置かれたアンティークラジオと自転车が吊られている。
チリンチリン。“どいてどいてどいて~”とハツラツとした女の子の声。ガッシャン。
“いてててて……。おっかっしいなあ。パパさんの地図が间违っているのかなあ”。
 どこかあどけない声の女の子は中野サンプラザへの道を迷っている様子。
自転车が壊れて歩きながら、そこへ“パパさん”から电话があり、地図が间违っていた
ことが判明。
さらには、その“パパさん”がよこしたミニジェットの屋根に乗せられ、“もうやだー
ーーっ!!”と绝叫しながら、中野サンプラザへ向かう……。
 そこでステージ奥の扉にシルエット。扉が开くと、后ろ向きでポーズを决めている
林原。
振り返ると、上はセーラー服を思わすマリンルックに下はロングスカートという若々し
いいでたちで、“私にハッピーバースデイ”をノリノリで踊りながら歌い始めた。
OVA‘万能文化猫娘’(98年)の前期OPテーマ。
そう、OVA=オリジナル・ビデオ・アニメ。VHSの时代の曲だ。
会场からは“ハッピーバースデー”でシンガロングも起きた。
 同じくOVA‘万能文化猫娘DASH!’(98年)のEDテーマ“幸せはちいさなつみかさね”は
両手を后ろに组んでケンケンパのようなステップから。本人作词(作曲も)の“神様、
幸せ贮金どこかにありませんか”といった素朴な歌词と温かみのある歌声がブラスサウ
ンドに乗って心地良い。
続けて歌ったテレビアニメ版(98年)のOPテーマ“Fine colorday”では、軽くステッ
プを踏んで歌词の通り“かかと2回”床で鸣らしたりも。
“かわいいバージョン”の林原が堪能できる‘万猫’ナンバーだが、この曲はかわいら
しくも强い声で歌われて、凛々しさが醸し出された。
 一転、街の喧騒のSEとスクリーンに中野ブロードウェイの映像。
“今すぐ殴りたい。ここはどこなの?”
“いやあ、その、ちょっと、それは……”
 クールな女性とユルい感じの少年が淡々とケンカしながらサンプラザを探す会话。
中野の道中で、“ブロードウェイはアメリカのはずよ”などと言いつつ、女性の平手打
ちも飞ぶ。
“本当は私はこんなところに来たくはなかった。人々の业が限りない。でも、あの人が
‘どうしても会いたい’と言うから”
“あの人だけじゃないと思うぞ。あれからどれだけの时が経ってしまったか、オイラに
はわからねー。けど、みんな会いたいんじゃないかな。あの顷を一绪に过ごしたみんな
さ”
 淡々と交わされる会话の最后には、“もう一度见せてやっか。オーバーソウルをさ!
”をきっかけに“よみがえれー”と空気を切り裂くような歌声。
スモークが吹き上がる中、黒のロングワンピに赤いロングマフラーで现れた林原が歌
ったのは、
もちろん“Over Soul”。
‘シャーマンキング’(06~07年)のOPテーマだったヒットチューンだ。
芯の强い声でバッサバッサ斩り込むように歌い、ステージでの存在感もたっぷり。
こぶしを突き上げ、客席では赤いサイリウムが振られた。
続く同作EDテーマでレゲエテイストの“trust you”は、ゆったりとやさしく。コント
ラストを付ける。
 さらに“お前さんを待つその人はきっと”と始まる和风アレンジの“恐山ル・ヴォワ
ール”は情感を静かに込めて、朗々と歌い上げた。
ゆったりした悠久感に引き込まれた。
この曲はもともと、原作コミックの剧中诗にボカロPが曲をつけ、
林原が恐山アンナとしてカバーしたもの(11年)。
ネットに动画投稿された际は、歌っているのが林原か论议も起きたが、
この‘シャーマンキング’络みの3曲だけでも、林原の歌手としてのバリエーションの
広さがうかがえる。
 次の暗転には、手纸をもらったキャラクターの声はナシ。
ステージ下手奥に、手すりに沿ったろうそくの灯りで浮かび上がる阶段。スモークが云
のように垂れ込める。あの世を思わせる情景。
太鼓や笛のお囃子が流れ、上手の台に细身の落语家のシルエット。座布団に座って、ゆ
っくりお辞仪……。
 すると反対侧のろうそくの阶段の上に、白い襦袢姿の林原。
座って“さあ、悲しみの亡者は”とつぶやくように“今际の死神”を歌う。
声に质量がないような空虚感。それでいて“无の迫力”のようなものが押し寄せてくる

 歌い终わりと共に暗転し、白装束を脱いで肩を出した青のスパンコールドレスに。気
怠く歌い出したのは“薄ら氷心中”。
その场で黒いヒールを履いて阶段を下り、白いストールを肩に挂けて、ステージ中央ま
で出ると、そのストールを首に巻き、モニターに片足を挂けて歌ったり。ジャジーなナ
ンバーに场末の莲っ叶感が漂う。
 この2曲はそれぞれ‘昭和元禄落语心中’(16年)の第2期、第1期OPテーマ。
椎名林檎プロデュースで、デビュー25年にして切り拓いた新境地だった。
“薄ら氷心中”を“私は独り法师(ぼっち)”と歌い终わると、ブチッと照明が落ちて
林原の姿も消えた。
 入れ替わりでスクリーンがステージの天井から降りてくる。
そこに映し出された“Dear冈崎律子”の文字。流れてくる“はなれていても”のBGM。
“あれから13年という时が过ぎました”と林原が冈崎さんに宛てた手纸が朗読されてい
く。
“あなたと会えなくなり、あなたの曲を待てなくなったとき、途方もなく悲しかった。
けれど、あなたの残した歌たちを心で受け止めて闻くたびに、そこにあるエネルギーの
ようなものが途切れていないことを、やっと実感しています。今いないけれど生きてい
る”
 スクリーンには、“for Megumi”と书かれた冈崎さんの手书きの歌词、“雨の小犬”
のデモテープ、2人の対谈记事、“青空”の楽谱……などが次々とスライドで流されて
いく。
“あなたの残してくれた、やわらかい上向きな気持ちを、私なりに届けたいと思います
。泣きたくなったときはちゃんと泣きます。そして今日、私は无理のない笑颜で立てて
いることと思います。‘めぐちゃんらしいね’と微笑むあなたを思って楽しみます”
 手纸を読み终わると、ステージのセンターの扉から林原本人が姿を见せた。
名曲“For フルーツバスケット”を、‘with you’に収录されたマーチアレンジの<
for Youth>バージョンで歌っていく。
やさしく、心に染み渡るように。右手を左右に振ると、客席の青いサイリウムも一斉に
左右に振られ、サンプラザが温かい空気に包まれた。
 音楽が终わり、“ようこそお越しくださいました”と、この日初めてのMC。
“しゃべらないと思ったでしょう? あえてしゃべらないことで、それぞれの世界を感
じ取ってもらいたかったので”
“世の中がワケのわからない騒ぎ方をしていたけど、いいじゃない、五十路で1stライ
ブだって(笑)。(ラジオの)‘Heartful Station’が终わったり、ブログに手をつけた
り、(‘Tokyo Boogie Night’の)ネット配信が始まったり。何が良くて何が良くない
のか、わからない。ただ、来たものに関して‘じゃあ、どうしよう?’と言い続けてき
たからの、今日なんだな”
 今回のチケットの当选がかなりの高倍率だったことにも触れた。
“‘运を全部使っちゃった’とか言いがちですけど、运は运を呼ぶので。この运を粮に
して运がついたと思って。外れてしまった方は次の运が巡ってくることが必ずあるから
。ヘコみすぎるのでなく、下を向いていたら、ここ(颚の下)にお肉が溜まっちゃうの
で(笑)、上を向いて伸ばそう。そろそろみんなも年を取ってきたしね”
 そんなトークを受けて、再び冈崎さんナンバーの“Lucky&Happy”。
“お腹から日ごろ出してない声を有酸素运动のつもりで出して参加してください”と呼
び挂け、サビの“Happy”のところでマイクを客席に向けて、合唱を煽った。
この曲は‘がくえんゆーとぴあ まなびストレート’(07年)のEDテーマ。
すでに没していた冈崎さんの残した曲から、林原の希望でカバーしたもの。
 続けて“はじまりはここから”。
こちらは‘ラブひな’(00年)の最终回EDテーマとして冈崎さんが书き下ろした曲だ。
林原はスカのリズムに乗って軽快に、ステージを小走りもしながら歌い、开放感が高ま
った。
“けんめいに生きよう”“本当のはじまりはこれから”。
冈崎さんの书いた素朴な言叶が耳に残る2曲だった。
 1stライブもいよいよ大诘め。“最后の曲になります。とっておきの曲を赠りたいん
です”と林原が言うと、スクリーンがまた下りてくる。ラストに歌うのは“青空”と告
げた。
もともとは林原への提供曲でなく、‘with you’制作に当たり新たにカバーしたナンバ
ー。冈崎さんが幼少期を过ごした军舰岛で撮った、ドローンによる空撮も含むMVはすで
にネットでも公开されていたが、“実はもっといろいろな表情があの岛にはあって、お
伝えしきれなかった部分を映像を付けて、お伝えしようかと”と话す。
“军舰岛に関して、廃墟、朽ちたもの、寂しく痛く切ないもの……という以外の方向で
伝えてる人って、まありいないのかもしれないと思って”
“物ごとは暗い形で捉えたら、ずっとその姿のままだけど、ちょっと里侧から见たら‘
そうじゃなかった’ということがあるんだと、この岛から教わった気がします。では、
お别れに、岛に一绪に行った気持ちになって聴いてほしいと思います”。
 そして、静かに歌われた“青空”。
林原の歌い方は冈崎さんに寄せたのか、寄ったのか、相似形のように闻こえる。
スクリーンには、军舰岛の廃墟と绿が同じ画角に入った空撮映像、冈崎さんが住んでい
た崖の上の住居栋迹の俯瞰、向こうにある海と岛に打ちつけて砕ける波……といった光
景が次々に映し出されていく。
それを背に、右手を上下させながら歌う林原。ステージを上手、下手、センターと手を
振ったり、お辞仪をしながら歩いて。
2番まで歌い切ると背中を向け、见えない谁かとハイタッチを决めステージの奥へと消
える。
 だが、映像は続いていく。そしてくりかえしの最后の歌声は冈崎律子さんのものに
差し替わる。
ライブの1曲目“梦を抱きしめて”のはじまりは冈崎律子のコーラス。そして最后はボ
ーカル。
はじまりと最后、彼女に包んでもらって成り立ったこの空间。会场に羽根が降ってきて
、照明が落とされた。
“以上を持ちまして……”と终演を告げるアナウンスが流れる。
このまま终わるのか、终わっても悔いはないけれど…という空気をぶち破るかのように
“ちょっと、ちょっと、ちょっと!”とけたたましい声が空间を裂く。
“この私なくして、终わるも何もあるわけないでしょ! この中野ってとこはヘンテコ
な店がいっぱいあって、そこそこ良さそうな魔法道具が売ってたから、値切るのに时间
かかったのよ! しかも无駄においしそうな匂いがしてくるし、食べないわけにはいか
ないじゃない!”
 やっぱり食べていたのか……と会场に笑いと歓声が起きる中、彼女は一方的にまくし
たて続ける。
 强引にアンコールを煽る。确かに彼女抜きで林原めぐみのライブは终われないと、観
客のコールも高まった。
爆発音がして、ステージセットのパネルが倒れる。流れ出す“Give a reason”の耳に
驯染みなイントロ。‘スレイヤーズNEXT’(96年)のOPテーマだった大ヒット曲。そし
て林原は“こっち、こっち”と客席后方の扉から姿を现し、ファンと至近距离の通路を
歩いてステージへ。
黒いショールをマントふうに羽织り、赤のショートパンツに黒いブーツという衣裳。
 “Give a reson”に続き“Plenty of grit”、“front breaking”と‘スレイヤー
ズ’シリーズの曲をメドレーで歌っていく。両足を肩幅に开いてガッツリ地に付け、腹
の底からの力の入った声で、こぶしも振りながら。会场を一気に盛り上げつつ、パワフ
ルさで魅了した。
 明けのアンコールMCの第一声は“冈崎さん、ごめんなさい。せっかくのエンディング
だったのに、ぶち壊しちゃいました(笑)”。お墓参りに行って、许可は取ったそうだが

“いつの间にか、みんな大人になったね。中学1年生で作品を追い挂けて、アニメ雑志
はお小遣いが足りないから、どれを买うか迷って。その顷のワクワク、ドキドキを思い
出して、お持ち帰りいただけたらと思います。いつの间にか大人になった私たち。そし
て、これから大人になる子どもたちに何ができるでしょう? 聴いてください”
 そう话して、オーラスに歌ったのは“JUST BEGUN”。‘スレイヤーズEVOLUTION-R’
(09年)の最终回EDテーマ。林原は右手を左右に振り、会场の赤いサイリウムも一绪に
左右に振られる。“出来そうで出来なくてやりのけて そのくり返しが道になる”“楽
しい事も辛かった事もきっと辉いてるだろう”“人生(たび)はまだ途中だから”……
。いつの间にか大人になって聴いたからこそ、胸を打つフレーズの连続だった。ハート
型の纸吹雪が舞い、林原は伸びやかな声で“そうずっとずっと続いてく”と歌い上げて
、ステージを后にしていった。大人のライブにふさわしいフィナーレ。
 无人になったステージ。“BECAUSE”のインストメロディに乗って、林原の影ナレが
流れる。
“生きていると何があるかわからないなって、ちょっと面白く思いました。时代の流れ
だからとか、求められたからとか、そんな言い訳めいたことはもうなくて、立つと决め
たからには、そこに立つ。やると决めたからには全力で。そうしてきた道が今日に繋が
ったと思います”
“気がついたかな? 今日みんなの前に现れたあのキャラ、谁も名乗ってないんだよね
。きっと声を聴いただけで、あの子たちがみんなの心の中を駆け回ったんじゃないかな

 その通りだった。キャラは名乗ってないんだっけ? とそのとき初めて思った。
声を聴いただけで、彼女たちの姿がもう脳里に浮かんでいたから。
林原めぐみが“演じた”キャラということすら、意识しなかった。
そう思わせるのが声优・林原めぐみの真骨顶。役を演じるというより、人物を作り上げ
ていて。
ステージでの歌やパフォーマンスでも、作品とキャラクターの本质を体现。
まさに声优业を揺るがない轴とする彼女らしい、そして彼女にしかできないライブだっ
た。そのタイトルが‘あなたに会いに来て’。
“あの顷の部屋やテレビやビデオテープやいろいろなものが、あなたたちの心に见え
ていたのではないかしら。だから‘あなたに会いに来て’。目の前で歌っていたのは私
だけど、きっと1人1人违う映像を心の中に描いていたはず”
“开けてしまったパンドラの箱。最后には希望が残った……なんて话があります。希望
はみんなの中に见えた、その映像。懐かしい実家なのか、散らかっていた自分の部屋な
のか。すっかり忘れていたあのシーン、あの日がみんなの支えなんです。そして私にと
って、今日も支えになります”
“どうもありがとう。またいつか、どこかでね。林原めぐみでした”
 声优らしく最后は声だけで缔める。会场いっぱいに、もうそこにいない林原めぐみへ
の拍手が広がり、“ありがとう”の声が飞んでいた。
PHOTO:钉野孝宏、TEXT:斉藤贵志
オフィシャルインタビュー
──1stライブをやって“セトリ”という言叶を初めて知ったそうですね(笑)。
林原 そうなの。ずっと“曲顺”と言ってました。公录のときに“曲顺はもうちょっと
したら决めるから”とか。スタッフも気をつかって、私には“曲顺は早めに决めてくだ
さい”と言ってくれてたから(笑)。
──他にも、ライブをやって初めて知ったことはありました?
林原 ブログにも书いたし当日会场でも言ったけど、大人ぶってスタッフにレッドブル
100个差し入れて“私、カッコイイ”と思ったら、スタッフは150人いたそうです(笑)。
たぶん私が一度も目を合わせなかった人もいるし、ラジオに来たハガキで知ったのは、
チケットのもぎりをする面白いお兄さんがいたんですって。“行ってらっしゃい”と声
を挂けてくれたとか。あと、“ネット転売は禁止”とどんなに口を酸っぱく言っても、
転売されてしまうじゃないですか。“彻底的に対処します。身分を証明するものを持っ
てきてください”と事前アナウンスをしていたにも関わらず、やっぱりそういう人たち
はいました。入れると思ったんでしょうね。すべてハジくために“そこまでしたか!”
という事実も、私は一切関わってないから、あとでハガキで知って“すごいな”と思い
ました。自分の知らないところで、たくさんの人が动いていたんだなと。
──当日は过度な紧张はなく迎えられました?
林原 うん。公录でステージが始まる寸前はよく“口からウンコが出ちゃう”と言って
たんですね(笑)。ヤギみたいにポロポロ出てくるようで。廊下をウロウロ歩きながら“
ウンコ落としていくけどごめんね”なんて、言って、スタッフに“ハイハイ…”といな
されてたんだけど、今回もそういう感じもありつつ、最初の会议のほうが紧张したかな
。そこに私は今まで参加したことがなくて、キングの人たちが全部やってくれてたんで
す。“こういう曲を歌いたい”とだけ言っておくと、“こんなセットになります”って
図面が来て、“ここにハヤシくんが立ちます。ここがラジオパートのテーブルです”と
か言われて当日を迎えました。何度か会议を重ねたのは今回が初めて。私の持论として
“会议は短ければ短いほうがいい”と思っていて。その空间で、いかに短い时间で、自
分のなかのインスピレーションを的确に伝えられるか。そういうことをこんなにたくさ
んのスタッフとやって、ステージを作るのか……という感覚でした。
──何人くらいのスタッフが参加する会议なんですか?
林原 20人いたかな? 舞台监督さんとか音响さんとか、いろいろな人を含めて。
──それが紧张感のある会议に?
林原 紧张というより、责任感かな。音楽を作るときもそうで、イメージが飞び交うの
はすごく危険なんです。たとえば“黄色い感じ”と言っても、レモンを思い浮かべる人
もいれば、ひまわりを思う人もいる。だから、より具体的な、みんなが共有できる会话
をしていかないといけない。それは结构能力を求められるんです。
──确かに。
林原 私が何となくやりたいことを言叶で伝えても、具现化しにくい。“まず海を”と
言ったら、出てきたのがプロジェクションマッピングの话だったり、うちのプロデュー
サーは“ステージに砂を敷き诘めて”とか言い出したり。何トンの砂が必要なんだよ(
笑)? 私がやりたいのは、そういうことではなかったので。“海”というひと言でも
、人によって出てくるアイデアは全然违うんです。予算をいっぱいかけて派手に见せる
楽しさはひとつある。でも、そういうことをやりたいわけではない。出来るだけ地味?
に。目からの印象を削って、耳からの情报をメインにする。人间の脳内に见えてくるも
のが一番のステージセットなんだと、この时代にどう伝えるか? 理解をすぐ得られる
のか? それができたのはたぶん、さいたまスーパーアリーナ(での‘KING SUPER
LIVE’)で狙ったわけでなくTシャツとGパンで出たことが非常にプラスに受け取られて
、ひとつ自信にはなっていたかもしれません。
──リハーサルはどれくらいやったんですか?
林原 歌のリハが1回と通しのリハが1回の2回ですかね。
──あとは自主练?
林原 そうですね。
──それだけで问题なくできたわけですか。
林原 バンドが入ってないからね。
──リハをやったらクリアしないといけない问题が山积みで……となったりはしません
でした?
林原 それはいろいろありました。“ここの着替えが间に合わない”とかで、ああだこ
うだと工夫したり。すったもんだは个所个所でありましたけど、“これはダメ”という
状态のままにはしておけない。“じゃあ、どうするか?”と即座に考えるのはすごく大
変でした。
──それを数少ないリハのなかで全部クリアしたんですか。
林原 うん。脳がフル回転でしたね。
──ダンスも顽张ったんですか?
林原 ううん。その场で动いただけ。
──えっ? “Successful Mission”のマリオネットふうのダンスも练习したわけでな
く?
林原 脳に浮かんだまま。振付の人もいないし、あえて、頼まなかった。
──へーっ。ステップとかもありましたけど、めぐみさんはダンスも天才的なんですか
ね?
林原 そんなことないですよ。“この曲はどうしたらかわいいかな?”とか、キャラク
ターとして考えると出てきます。私であって、半分はキャラクター。モモのことやライ
ムの事を考えて、やっていた感じ。だから自分がどう动いたのか、覚えてません。
歌词のまま动くイメージですね。“かかと2回ならして”だったら、2回かかとを床に打
ってみたりとかね。
──役と同一化して台词も自然に出るのは何となくわかりますけど、踊りは役に乗った
からといって、そんな简単に动けるものですかね?
林原 だからね、自分で言うと気持ち悪いけど、私のなかにそこそこのモンスターがい
るんだと思います。スイッチが入れば何ごとも、何でもない颜でやってのけちゃう。と
いうことを、ライブをやり终えて思いました。今回、以前に朗読剧の演出をやってもら
った藤沢文翁さんにアドバイザーとして入ってもらったんですね。カラオケだったから
、1番、2番と歌い终わって、缲り返しの部分までの间をギターの人に振ったりできない
し、ダンサーもコーラスもいない。1人では间が持たないから、“どうにかならないも
のか”と相谈したら、サンドアートのアイデアをくれました。
──‘セイバーマリオネット’のところで入ってましたね。
林原 终わってから彼と话したら、私が“演出家の颜だった”と。“何秒后にこれを出
してほしい”とか、“アーティストがそこまで细かく指示するなんてそんなにない”と
言われました。私が“自分が一番曲のことをわかっているから、どうすればお客さんが
楽しめるかもわかる”と言ったら、そういうことではないらしいです。“ここは间髪入
れず曲をつなぐ”とか“ここは暗転して”とか、映像のアングルとか、実际にインカム
を付けて指示するわけではないけど、半分舞台监督みたいなことも结果していて、自分
のことを“この人は振られたら何でもやっちゃうんだ”と思いました。客観的に“振付
の人もいないのに堂々と出ていって、世界を构筑するんだな”という。
──台本も全部自分で书いたんですよね。
林原 そう。脚本家でもないのにね。
──ダンスに関しては、人生のどこかの时期に基础をガッチリ学んだとか?
林原 えーとね、中学のときのリトミック(笑)? あれはすごいんだよ。片手が3拍子
で、片手が4拍子とか。で、足がシンコペーションとか。そんなことを太鼓ひとつでや
ってました。学校で。
──体育の授业で?
林原 うん。その授业が好きでした。みんなは“头がこんがらがる”と言ってたけど。
中学から高校まで一贯して习ってました。中1では手拍子で1とか2しかできなかったの
が、中2になると少し难しいこともできるようになって、中3では足もちょっと付けられ
ました。高3になると、グルグル回りながら神业みたいなこともやっていて。今やれと
言われてもできないけど、その基础があるんだと思います。
──やっぱりダンスのセンスもあったんでしょうね。
林原 どうだろう。本当のダンスを知っている人に见られたらお耻ずかしいけど、“フ
ァンの人しか见ないからいいや”くらいの気持ちでした。
──今までの公录のステージでは、ギリギリまで“帰りたい”と言ってたそうですが。
林原 今回も1日じゅう“帰りたい”と言ってましたけど、さすがに腹は决めました。
あとは公录と违って、セットの移动とか吊り下げるものとかいろいろあるから、ひたす
ら“事故が起こりませんように”という。最终的に私が気を抜いたらダメだと思って、
神がかりっぽくて気持ち悪いけど、最后の最后までこの空间に结界を张るくらいの意识
を持ってないと、何か起きてからでは遅い。そんな心境でいました。
──歌やパフォーマンスは纳得いくものになりました?
林原 あまり记忆がありません。リハーサルをしたので“こういうことをやった”とい
うのはもちろんわかりますけど、本番で何をしゃべったかも、正直、覚えてないですね

──ライブの本筋の歌には不安はなく?
林原 そうだね。不安は“どうか事故がないように”というだけ。极端な话、ファンの
人しか来てないから、“私に何かミスがあっても笑って许してくれる”くらいの気持ち
はちょっとありました。でも、何かがバタンと倒れるとか、ボーンと落ちてくるとか、
そういうことがあったらシャレにならないので。
──构成はいろいろ考えた末に、ああなったんですか?
林原 “ライブをやってください”と言われたときから、“私がやるライブって何だろ
う?”“できることは何だろう?”と、ずっと考えてました。
公录のなかではいつも歌っていたから、それを延ばすのはどういうことなのか?
 “やっぱりみんなが好きな曲を届けるのがいいんだろうけど、20曲か……”とか。
初めてレコーディングした“夜明けのShooting Star”から最新の曲まで入れようとす
ると范囲が広すぎる。
で、‘with you’を出すことと冈崎(律子)さんへの想いを考えたとき、“冈崎さんで
始めて冈崎さんで终わろう”と思ったんです。‘(魔法のプリンセス)ミンキーモモ’
が最初に浮かんで、モモから他のキャラクターたちにバトンをつないでいこうと。そう
いう感じですね。
──完璧というくらい隙のない构成になりました。
林原 いい构成じゃない(笑)? でも‘with you’を出してなかったら、また违う形に
なっていたと思います。そのときは‘with you’なんてタイトルも决まってなくて、冈
崎さんの作品をまとめようと动き始めていた感じですけど。
──最初に海にいるモモに“一绪にあの顷の梦をみたいの”と手纸を送った形から、大
人のお客さんの胸を打ちましたよね。
林原 どうやってキャラクターのみんなを呼び寄せようか、すごく考えました。
──各作品から3曲ずつ选ぶのは悩みませんでした?
林原 そんなに。作品が决まった时点で、てらわずにいわゆる代表曲にしようと。挿入
歌でいい曲もあるし、メジャーでなくてもファンの人が好きな曲もあるけど、一番は“
あなたに会いに来て”だったので。主题歌を聴いて私を见ながら、当时のアニメのオー
プニング映像を思い出した人がいるかもしれない。学校から走って帰ってきてアニメを
観た子もいた时代だし、玄関とか観ていた部屋とか录画したビデオカセットが见えてほ
しかった。“ビデオの背に张る帯を作ったな”とか“箱がすぐなくなっちゃうんだよな
”とか、そういうことを思い出してほしいと思いました。
──そうしたなかでも、‘シャーマンキング’では“恐山ル・ヴォワール”を入れよう
と?
林原 これは原作の武井(宏之)さんがすごく好きなこともあったし、叶とアンナの会
话を入れるに当たり、2人の関系性を一番物语っている曲だったので。当时、私が武井
さんに頼まれて恐山アンナとして“歌ってみた”に上げたら、大騒ぎになりました。一
番うれしかったのが、“本人かどうかわからないけど、歌ってくれてありがとう”とい
う反响でしたね。なかには“本人よりヘタ”とかボロクソに书いてる人や“本人が歌う
わけがない”という人もいたけど、あれを投じたことによるざわつきから、私がいただ
いたものは多かった気がするんです。作品が残したものにはすごく力があるということ
。それが今回の叶くんの台词にも活かされています。“関わっちまったからには忘れよ
うがなく”という。この曲を何気にニコニコ动画に上げることを、プロの粋な游びとし
てできたのをうれしく思った……という背景があるんですよね。
──当时、めぐみさんはあまりネットに触れてなかったのでは?
林原 全然见てなかった。“ざわついてる”と言われて见たら、ビックリしちゃった。
画面にワーッと字が流れていて、“何これ?”みたいな(笑)。
──いわゆる弾幕ですね。
林原 初めて见ました。“速くて読めない!”と思ったら、“横にちゃんと出てます”
と言われて、“あっ、そうなの?”という(笑)。
──それで“Northern lights”より、こっちを选んだんですね。
林原 全部お腹いっぱいにしなくてもいいかなと。“Over Soul”があるし、“
Northern~”は公录のほうで歌ったから。
──生で歌うのが大変な曲はありませんでした?
林原 全部(笑)。レコーディングでは“ここはちょっと音が外れたからもう1回”なん
てできるけど、投げっぱなしだもんね。
──椎名林檎さんの2曲は难易度が高くなかったですか? “无”なニュアンスの表现
とか。
林原 林檎ちゃんの歌は一回自分のものにしてしまえば、意外と歌いやすいです。私に
とっては。椎名林檎さんが歌う曲を歌おうとしたら难しいけど、あの时点で、ちゃんと
、私あてにかかれていて、しっかり私のものになっていたから、辛くはなかったですね
。それより、阶段から落ちないようにしないといけなくて(笑)。あの座っていたところ
、すごく细かったんです。
──客席からはわかりませんでした。
林原 着物で“今际の死神”を歌っていたとき、すごく细い阶段を降りなきゃいけなか
ったから、そっちで头がいっぱいでした。コケたら、めっちゃカッコ悪いからね(笑)。
──‘スレイヤーズ’ナンバーは最后に持ってくるしかない感じでした? というか、
最后にうまくハマりましたが。
林原 冈崎さんの曲で涙で终わるのもな……と思って。雰囲気をぶち壊すのは、リナし
かできないから。きっとみんなも聴きたいだろうし。
──やらないわけにはいかない。
林原 そうだね。そこまで意地悪じゃないから(笑)。
──“JUST BEGUN”をオーラスにすることも早くから决めていたんですか?
林原 そうです。缔まるでしょう? この曲。“终わり”って感じに加えて未来がある
から。もともと‘スレイヤーズ’シリーズの最后の最后のエンディングでもありました
し。
──大人になって“人生(たび)はまだ途中だから”とか“ずっと続いてく”と聴いて
、染みるフィナーレでした。
林原 前にも言ったけど、“梦は叶うさ”という10代、20代があって、30代くらいに“
叶えるばかりが梦ではない”と気づく。叶えるために何をしたかで次の梦になる、とい
う。たとえば、声优养成所に入ったけど声优になれなかった。でも、保育士になって“
絵本を読むのが谁よりも上手”と言われたとか、养成所に行ってなかったら人前で何か
をすることをてらっていたかもしれないとか。“なりたい”に向かって全力でやらなき
ゃいけない年代があって、その全力が次の10年を支えるんだと思う。30代で何をして何
を见たかが40代につながって、そして50歳で1stライブかい? って感じだけど(笑)、
そういう意味で“叶うばかりが梦じゃない”みたいなこともちりばめました。
──もともと“JUST BEGUN”の歌词を书いたときから、大人にも向けたイメージもあっ
たんですか?
林原 これはポコタという、そのときリナが関わったキャラクターに向けて书いたんで
すけど、レコーディングが终わってアニメの本编を観て、“これはリナにも言えるな”
と思いました。结果的に全体的な歌になってました。
──それが今回のライブに生きて。
林原 10代の子が観たら“何のこっちゃ?”ってステージだったと思いますけど(笑)、
お客さんは年配の人が多いと想定して组み立てました。ただ、10代の子も実际いたみた
いで、“知らない歌がいっぱいあったけど、どこかで聴き覚えがあった”とか“何だか
わからなかったけど、とても面白かった”とか、わからないなりに楽しんでくれていた
ようです。それこそテーマだった“不亲切”の成功例という感じがしました。
──最初のモモに宛てた手纸でも“叶わなかった梦ってどうなっちゃうのかな?”とい
うくだりがありましたね。あと、“大人になってからも、いろいろあるの”とか、お客
さんの共感度が高かったと思いますが、あの手纸もスラスラ书けました?
林原 ラジオをやっていて、たくさんのハガキや手纸にちゃんと目を通しているから。
私にしかできない……と言うと奢ってるみたいでイヤだけど、“私らしいライブって何
かしら?”ということをすごく考えたんです。よくパイオニアだ何だと言われて“何の
だ?”と思ったけど、たとえば声优がアニメの主题歌を歌う、ラジオをやる、雑志に出
る……といったことで、私がひとつの成功例になったから、后辈たちも歌やラジオをや
るようになったと言われているけど、ラジオをやったんじゃなくて、手纸やハガキを沢
山読んだんだよね。“そこ”ありきね。
──そうですね。
林原 でも、その部分はカットされて、とにかくマイクの前に座らせられる。やりたく
ない子まで売れるための道としてやらされて、“ラジオでどうしゃべっていいのかわか
らない”ということにもなっている。そこで少し何かが変わった気がします。たとえが
难しいけど、介护士でも“生活の安定のために”と资格を取った人と介护の仕事がやり
たくて取った人が同时に仕事を始めたら、挫ける确率はどうなんだろう? 介护士を梦
见てきて“现実はこうなのか”と挫けることもある。一生悬命お世话しても当たり前の
颜をされて、実は自分は介护を好きじゃないと気づいたり。逆に“取った资格は使わな
きゃ”と始めてみたら、世の中に日常生活を送るのも大変な人がいることを知って、“
私にできることは何だろう?”と、どんどん介护への気持ちが强くなる人もいる。両方
あると思うんです。何か1コのことをするとなったら、人によってプラスにもマイナス
にもなる。
──それが声优さんのやる仕事にもあると?
林原 后辈のラジオに游びに行ったら、作家さんが全部选んだハガキを読んでいて、“
何が楽しいのかな?”と思ったんです。さっきも言ったけど、私は届いたハガキは全部
自分で読むし、読むことが楽しいし、そこからはじまる。みんなが今、どんなことを抱
えているのか? 何を思っているのか? そういうことがわかるから。番组ではほんの
一部しか绍介できないけど、そんな积み重ねがあって。忙しいスケジュールのなかでハ
ガキを読むのに2时间割くなんて、事务所は“やめてくれ”と言うのかもしれない。で
も、“はい、これを読んでください”と言われて、30分でラジオを录って、“じゃあ、
次の现场へ”って……。“仕事がある”ことと“仕事をする”ことは违うんだよな。ア
ニメでも私は“台本はほとんど読まない”と言ってますけど、台本の向こう侧の世界を
考えることに时间を费やしていて。それをしてきたからこそ今回の脚本が书けたし、年
配の人たちに向けて耻ずかしげもなく“梦”のことを语れたと思うんです。林原めぐみ
さん、1日にしてならず(笑)。それは(‘ポケットモンスター’の)ロケット団にも言
えるんですよね。私がミスをすれば、三木(眞一郎)くんが拾う。三木くんがヘニャッ
となれば、ニャース(犬山イヌコ)が笑う。本当にロケット団みたいな3人がアフレコ
スタジオにいるんですけど、そういうことがやりにくい时代になっているのが切ないな
。忙しい人は抜き录り。売れっ子さんは次のスタジオがあるから“これを読んでおいて
ください”とかね。后辈には一生悬命教えてますし、それを汲み取って“10年后はこう
ありたい”みたいな気持ちで顽张ってる子もいる。だからと言って、どうなるかはわか
らないけど。何か“目に见えない努力”というのも耻ずかしいような、人にお届けする
なら努力でも何でもない当たり前のことの积み重ねが、50にしての1stライブだったの
かな……という気がします。
──台本では、キャラクターたちの台词や挂け合いを书くのも、そんなに苦労はしませ
んでした?
林原 ヌクヌクがどこで何をしていたかとか、私の体のなかにたくさんあるので。台词
は覚えてなくても、ヌクヌクがどんな生活をしてきたかは、もう体に染みているんです
よね。
──25年前とかに演じたキャラクターでも?
林原 うん。モモちゃんの名台词とか言われても“そんなのあったね”となるけど、モ
モちゃんが何を考えていたかはすぐ思い出せます。台本に书かれていない彼女の生活み
たいな部分を胜手に作っていたし。もちろん监督とすり寄せていて、ただ私の妄想が広
がったわけではなく、作品に沿っているわけですが。
──26年前にモモを演じていた顷から、出ている台词を読むだけでなく、“台本の向こ
う侧の世界”のことも考えていたんですか?
林原 たぶんそれは(デビュー作の)‘めぞん一刻’のときから、音响监督さんに植え
付けてもらったんだと思います。ウェイトレスの“いらっしゃいませ”という台词をた
だ一生悬命言ってたら、“このウェイトレスは今日1日をどんな気持ちで过ごしている
の?”というようなことを闻かれて、そんなひと言の台词にも“不机嫌な感じで”と言
われたり。そういうことを考える作业は最初から当たり前にようにやってました。
──今回のライブは衣裳も自分でデザインを考えたとか。
林原 そうなの。もう大変でした。本当に。イメージした衣裳の絵を“こんな感じ”っ
て描いて、ヘッタクソなんだけど、スタイリストさんに见せたら“上手いよ”と言って
もらえました。
──それも学生时代に何かで描いてたり?
林原 ううん。ただファッション雑志を眺めるのが好きで、特集ページの“たまには夫
と二人で焼き鸟屋に出挂けるコーデ”なんてのを见て得たものを‘DUO’の写真で使っ
てみたり。実际にそんな服は着なくても、世の中が求めている空気みたいなのをいただ
くのが好きだから。きれいなモデルさんがきれいな服を着てるのは当たり前だけど、そ
れをどう日常に活かせるか、雑志を作る人はすごく工夫しているじゃないですか。そこ
にデザインのラフ画が载っていたりすると、“このデザイン画から実际こうなったんだ
”とか见るのが好きなんです。
──今回はキャラクターにも寄せたんですよね?
林原 それで一番悩んだのがヌクヌクです。セーラー服はダメ。痛すぎます(笑)。かと
言って猫耳も违うし。でも、ちょっと肩を出して(マリンルックの)セーラーな雰囲気
だったらギリギリかな? という感じでやってみました。自分ではあれでもギリギリを
越えたと思いますけど(笑)、“まあ、いっか”と。
──全体的に大人なバランスは取れてました。
林原 それは、よかった。あと、ライムの服は白无垢だけ私が揃えて、“こういうふう
に切って、こうしてください”と作ってもらいました。本物の白无垢を使っているので
生地がすごく厚くて、スタイリストさんが苦労してました。裾を切って余った分が布団
のように家にあるそうです(笑)。
──あの长い袖は歌っているときに振り甲斐があったのでは(笑)。
林原 振り甲斐、ありましたねー。颜にバッシバシ当たるくらいで“こんなに长いんだ
”と思いました(笑)。
──今回は“あなたに会いに来て”がライブタイトルになってました。
林原 それぞれの若かった顷の自分に会ってねと。
──めぐみさん自身も昔の自分に会えました?
林原 ライブ当日よりも、ラジオドラマを录ったときに“タイムマシンだな”と思いま
した。声はいくら当时を再现しようと思っても、聴く人が聴いたら年齢を感じたりもす
るでしょうけど、脳のなかは一瞬でグアーッとミンキーモモをやっていた顷の自分に戻
るんです。アンナとして叶の声を闻けば、生々しい言い方ですが子宫の横がちょっとキ
ュンとする感じがあったり。佐藤ゆうこが叶になるまで、しばらく时间がかかって“あ
んたねえ”と、ちょっとイライラするのも、当时のスタジオのまんま。それも含めてア
ンナと叶に重なって、私にとっては佐藤ゆうこ爱ですけど、“ごめんなさい! ちょっ
と待ってください! あっと、えっと……”とか、当时と同じようにアタフタしてまし
た(笑)。‘セイバーマリオネット’の白鸟(由里)ちゃんや平松(晶子)ちゃんも会っ
た瞬间からキャラになっていて、何か“声优っていい仕事だなー”と思った。
──顽张っていた自分を思い出す感じも?
林原 “作品って不灭だな”と改めて感じました。きっと私が死んじゃったあとでも‘
ミンキーモモ’が再放送されたら、おもちゃ屋さんで売ってなくても何かステッキを振
り回す子がいるかもしれない。だからDVDボックスが出て棚に置いてあるのも素敌なこ
とだけど、いかにたくさんの人の目に触れるか、元からファンでない人も含めて、とい
うことが作品にとって幸せなんだろうなと、すごく考えました。実际、いまだにどこか
で‘らんま1/2’が再放送されると、ラジオに突然小学生からのハガキが来ますから。
何じゃらほいと思ったら、“お母さんと一绪に‘らんま’を観ました”とか“灰原哀の
人がらんまだとは知りませんでした”とか书いてあるんです。新一もらんまなんだけど
(笑)。作品が落としていくものってすごいし、自分がこんなにいろいろやってきたこと
を振り返る日が来るとは思いませんでした。会场でも话しましたけど、后ろを振り返る
のはマイナスなような気がしていたけど、これだけ后ろができたら、后ろから教わるこ
ともすごくあって。
──公录で“后ろを向いた分、前の景色が変わってる”と话してましたね。
林原 后ろがあるからこその前なんだなと。10代や20代のときに见た后ろと、30代や40
代で见える后ろは、景色が违うから。振り返れるものがたくさんあって、老后が楽しそ
うだと思いました(笑)。
──振り返れるものをたくさん作ってきたからでしょうけど。
林原 本当に。谁に感谢したらいいのかわかりませんけど。
──最后の影ナレで“キャラクターたちが谁も名乗ってない”という话がありましたが
、そう言われるまで、名乗ってないことに気づきませんでした。声だけでキャラクター
が浮かんでいたので。
林原 そこがたぶん林原めぐみさんなんでしょうね。
──“いつの间にか、みんな大人になったね”は、自分についても思うことですか?
林原 何という言い方をしたらいいかわからないけど、私はただ好きな仕事をしていた
だけなのに、感谢されたり好かれたり敬爱されるのは、何か申し訳なく思います。役に
対する取り组み方は、デビューしたときと変わってないわけ。大役だろうがチョイ役だ
ろうが、台词が多かろうが少なかろうが、敌だろうが味方だろうが、男だろうが女だろ
うが。でも、自分が取り组んできた子たちがいろいろなところに影响を与えて、取り组
んでいた私も尊敬してくれている。50歳だからかもしれないけど、25歳の顷とやってい
ることは変わってないから。本当に“いつの间にか”ですね。
──この1stライブも未来につながるんでしょうか?
林原 どうなんでしょう? 私のなかでまったくプランはないです。出し切っちゃった
から。もう100回くらい言ってますけど、CDを出すのも、いつも“もう终わり”と思っ
ていたら、何かが沸いてきたり启示を受けたりして、次もあった。でも、新たに出会う
谁かが“こうしませんか?”と言ってきて、时间と空间といろいろなことが合致したら
、何かがあるのかもしれないし、ないのかもしれない。まったくもって行きあたりばっ
たりな感じですね。
──チョクに2ndライブをやるとかでなくても、何かが自分のなかで目覚めたりもしま
せんでした?
林原 これをやったから次の自分が见えてきた、みたいなこと? それはないなー。や
り切った感じしかない。ただ、みんなの反応に“気をつかってくれてたんだ”と思いま
した。私が1stライブをやると言った途端、“大丈夫ですか? うれしいけど信念を曲
げざるをえなかったんですか?”とか。レギュラーで动いているものと违って、轴がど
っちに行ってるんだかわからない。喜びや怒りや叹きや気づかいがワーッと来て、すご
かった。まだチケットも発売してないのに“地方でやらない”と怒ってる人もいたし、
“グッズは転売されますよ”と言ってきた人もいた。スポイトからポンと水を垂らした
ら、広がってすごいことになった印象です。良いことも悪いことも含めて。动くって、
そういうことなんだろうな。何もしなかったら、自分のクジ运の悪さを叹いたり、悔し
い想いをした人もいなかったわけじゃないですか。
──倍率はどれくらいだったんですか?
林原 公表はしてないけど、応募は万越えでしたね。そんなに観たい人がいたことも惊
きでした。0.何パーセントかは冷やかしの人がいたとしても。
──総じて“やって良かった”というのはありますよね?
林原 わからないですね。良かった人もいただろうし、悔しかった人もいただろうから
。いろいろな人のいろいろな気持ちが生まれた……って感じかな? 私はとにかく事故
がなくて良かった。
──今までにない高扬感があったりは?
林原 それはない。ただ、ちょっとブログにも书いたけど、感谢の置きどころは考えま
した。みこしのてっぺんに乗ることの意味? 乗れる人はそんなにいない。言われたか
ら乗るんじゃダメで、乗るからには“さあ、鸟居まで行くよ”って、その空间にいる全
员を纳得させて担がせないといけない。そして、担いで肩にコブができた人も列から乱
れちゃった人もすべて、鸟居の向こうに连れていく。そういう意识でやらないと。なん
てことを考えたのは初めてだったかな。
──今までもいろいろな形でみこしには乗りつつ?
林原 たとえば‘スレイヤーズ’のリナとか、主人公役は座长として、ベテランの方が
来たときに気をつかったり、ストーリーの流れをわかってない人に教えてあげたり、番
组を成功させるためにいろいろと気を配るんです。それもみこしのてっぺんではあるけ
ど、担いでくれる人たちの颜が见えるんですよね。でもライブでは、目を合わせもしな
い黒Tシャツのスタッフやチケットをチェックする人も、“また観たい”と言ってくれ
る人も観られない人もすべて、いろいろな涡に巻き込むわけです。みこしが上がるとい
うのはそういうこと。そのてっぺんはあまり好きな场所じゃないけど、林原めぐみさん
という人はそこに乗るんだなと。
──そういう星の下に生まれて。
林原 星なのかな? そこは日ごろの自分とのギャップに惊愕しますね。
──“感谢の置きどころ”というのは、目も合わせないスタッフに対しても……という
ことですか?
林原 うん、そう。あと、うれしかったのが、私は昔からファンの人に対してどこか厳
しくて。たとえば20年くらい前から、“イベントで禁止なのに写真を撮っている人をど
う思いますか?”と闻かれたら、言い方はきついけれど“それは、私にとってはファン
だと私は思えない”と言うしかない。欲を満たすことが目的になってしまってるからね
。“でも、私がその人に直接注意はできない。ダメだと思ったら、言い方含めて、あな
たが‘ダメですよ’と注意しないといけない”というようなことを、再三言ってきたん
ですね。“自分が出したゴミは持って帰るように”とか。何様? みたいなことだけど
、そういうのがジワジワとファンの人からファンの人に伝わったみたい。物贩に并んで
いるときにトイレに行きたくなって、“ここ取っておいて”“いいですよ”とか、ファ
ンの人のマナーがとても良かったと、ライブ后のハガキで随分来てました。そういうイ
ベントに初めて参加したという人から“ファンの人がやさしかった”と闻くと、“自分
が楽しむだけでなく、ちゃんと他の人のことも気づかえるお客さんが来てくれていたん
だな”と、ちょっと夸りに思いました。
──それも20数年の积み重ねですもんね。さっきの未来に向けた话だと、今は出し切っ
た感しかないとしても、また水を注いでくれる何かがあれば、新たに动き出すかもしれ
ないわけですよね?
林原 そうだと思います。その水がどこから沸いてくるのか、谁が注いでくれてどうな
るのかは、今の段阶ではわかりませんけど。
──めぐみさんはいい意味で“终わる终わる诈欺”の常习犯ですからね(笑)。谁も终わ
ってほしいとは思ってないので、いいことですけど。
林原 ホントだよね(笑)。でも、今は“もう终わり”としか思えなくて。だって、あれ
以上のことはすぐには考えられないから。そう言いながら次に何かやって、また“これ
で终わりです”と言える日を楽しみにしています(笑)。
PHOTO:钉野孝宏、TEXT:斉藤贵志
林原めぐみ 1st LIVE -あなたに会いに来て-
作者: kyanaru (Rin)   2017-09-02 20:11:00
这报导和访谈真的超有诚意Q////Q

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