https://news.yahoo.co.jp/byline/kawamurameikou/20201230-00215163/
“鬼灭の刃”次の新作アニメは映画?テレビ? ジブリ级に成长したゆえの“悩み”
ビジネス视点から考える
人気アニメ“鬼灭の刃”の剧场版“无限列车编”の兴行収入(兴収)が约325亿円
となり、史上最高额になりました。同时にファンが気になるのは、“无限列车编”の続
きがテレビなのか、映画なのかでしょう。ビジネス视点で考えてみます。
◇ファン心理と异なるビジネスの论理
以前から“无限列车编”の続编アニメについて、ファンの间で议论になっていました
。次の山场となる“游郭”の戦いや、最终决戦の“无限城”は、物语が长すぎて映画に
合わない……というものです。また、修行の话などは映画にするには盛り上がりに欠け
るので、テレビで放送してほしい……という声は非常に多く见かけました。
その根底にあるのは、ファンが考える“鬼灭の刃”の成功の理由でしょう。“鬼灭の
刃は作品のことを第一に考え、テレビと映画を使い分けた”という见方で、声优で固め
たキャスティング(俳优を排除したこと)を含めて、“作品第一主义”と绝賛する声を
ネットでよく见かけました。アニメファンの心理としては、大変理解できます。
しかし、ビジネス视点で见ると违います。マンガやアニメも、作品を大切にするのは
当然のことで、“鬼灭の刃”だけ特别ではありません。そしてビジネスとして成立しな
ければ、どれだけ面白いコンテンツも続けようがありません。
そもそも、アニメやドラマをテレビ(无料)で放送し、知名度を高めて映画(有料)
で稼ぐ手法は、“方程式”として既に确立しており、“鬼灭の刃”も同様です。それは
映画のうまみ……収益化できる强みを示しています。ビジネスを优先しすぎてしまい、
ファンに反発されるのは论外ですが、コンテンツの质を保ちながら、売上高や利益の最
大化を図ることが続けるポイントです。利益があるから、作り手がうるおうわけです。
そして映画、テレビのどちらで展开しても、メリットとデメリットは存在します。
◇映画の利点は圧倒的な実绩
“鬼灭の刃”の続编を映画で展开する最大の利点は、兴収300亿円超になったスーパ
ーコンテンツの势いをそのまま生かせることです。“史上最高兴収”というキャッチー
なフレーズもありますし、公开时はどのメディアも积极的に报道してくるでしょう。仮
に兴収が前作の3分の2でも200亿円で、制作委员会に(推计で)80亿円は入る计算にな
ります。ですから、ジブリ作品や“エヴァンゲリオン”のように映画にシフトする……
というのも一つの手です。(私も含めて)ファンが剧场へ足を运べば、作品への“お布
施”になるわけです。
ですが、映画の兴収自体は読みづらくリスクもあります。特に“鬼灭の刃”の大ヒッ
トの背景には、元のテレビアニメの人気、サブスク配信の多さ、マンガの连载终了のタ
イミングの良さがあり、悬念された新型コロナウイルスの感染拡大すら结果的に“追い
风”になりました。それらを再び期待するわけにはいきません。
◇利の薄いテレビ カギはネット配信
新作アニメをテレビ放送で展开する场合ですが、ビジネスの视点で考えると、直接的
に得られる収益が低いのは确かです。テレビのメリットは、幅広い人にアプローチでき
ることです。しかし“鬼灭の刃”は既に知れ渡っています。DVDやブルーレイ・ディス
クの贩売、グッズの贩売もありますが、さすがに映画レベルの収益は望めないでしょう
。
そこでカギになるのがネット配信という“錬金术”です。ここ数年、アニメビジネス
が厳しいと言われながらも、作品数が减らない、もしくは“なぜこの作品はこんなにシ
リーズが続くのだろう”と不思议に思うことはないでしょうか。実は、ネット配信の収
益がコンテンツを大きく支えているケースがあるのです。
配信地域と値段、独占の有无などの契约内容次第になりますが、“鬼灭の刃”は今后
は强気の交渉もできるでしょう。アニプレックスはソニーグループの会社で、ソニーは
配信サービス“クランチロール”の买収を発表しましたから、选択肢がいくつもありま
す。ネット配信の契约は表になりづらいところですが、惊くような契约があってもおか
しくありません。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ハリウッドはネット配信に力を入れている
流れもあります。なおネット配信は别にテレビ限定のものではなく、映画と配信の并行
展开をして、両方の収益を合わせて最大化する戦略もあるでしょう。
いずれにしても、テレビ放送は収益的な弱さがある以上、最强コンテンツになった“
鬼灭の刃”にとって戦略の主轴ではありません。奥の手としては、ネット配信をビジネ
スの中心に考えてもいいでしょう。要はきちんとしたビジネスの絵図さえ描ければ问题
ないのですから。
もちろんテレビ放送は、プロモーションとしての効果は抜群で、视聴者も无料で楽し
めるため、期待は大きいと思います。ただし、コミックスも考えられる限界まで売れて
おり、国内でいえばマスを広げるビジネスのうまみが薄いのは否めません。期待は海外
市场と、开発中のスマートフォン用ゲームでしょうか。スマホゲームは人気次第ですが
、収益とプロモの双方で重要な役割を担う可能性もあります。