http://draft.liblo.jp/archives/5118728.html
投手が投げ、打者が打とうとする瞬间でも応援団の野太いマイクパフォーマンスが大
音量で响き、ベンチ真上で美しいチアガールが跃る。気が散って仕方がない环境だろう
・・・。独特の騒々しさは台湾プロ野球の日常だ。
母国に戻って2年目、日本球界育ちの林威助(2002阪神7巡目)はカルチャーショックに
もまれながらプレーしている。“応援歌を言ってくれている。最初はビックリしたけど
惯れたよ”と笑う。
9月上旬、台湾南部の高尾を访れた。市街地から路线バスに揺られて50分、北东の澄清
湖棒球场へ。力强いスイング、栅越えの放物线は変わらない。台湾球界1年目の昨季は
左ひざを手术した。今年は実质的にプロ初の优胜争いに身を置く。
“出された场面でやるべきことをしっかりやって、チームに贡献できるようにしたい。
いまトップに立っている。こういうチャンスだから、优胜したい。このチャンスを逃し
たくない”。
5、6日の义大戦に先発して2戦连続マルチ安打。“状态は悪くない”とうなずく。豪快
な打ちっぷりはともかく、2日间の潜入で何より目を引いたのは凡打だ。内野ゴロでも
必死に一塁まで全力疾走していた。
今季开幕前、経験を买われて主将に指名された。远征先のホテルでは试合后に仲间と野
球谈议。若手に伝えることも多いという。“打ったら、しっかり走れ!。いつも打てる
わけじゃない。相手のエラーを诱ったり、そういうこともチームにプラスになる。野球
はそういう部分が大事”。
台湾球界は投打こそパワフルだが、守备走塁が二の次になっている印象を受けた。日本
では恒例の试合直前のシートノックを行わないケースも多い。林は福冈・柳川高へ入学
し、近大から03年に阪神入り。日本で学んだ细やかなプレーで率先していく日々だ。
8日统一戦の8回に起死回生の同点打を放ち、胜利に导くと独走状态に入った。レギュラ
ー级の働きで打率3割台を维持。下半季の优胜マジックも点灯し、早ければ今周末にも
顶点に立つ。台湾シリーズに向けて视界良好だ。
高雄の夜は蒸し暑い。扇风机に当たりながら、南シナ海で采れた海の幸を味わう。“ト
リはどうしてる?。マートンは?。みんな元気かな?。11年间、お世话になった球団だ
し、先辈も后辈もいるからね”。かつての同僚を気にかける。古巣は优胜を逃したが、
林は主将として、最后の踏ん张りどころを迎えている。
6日、义大戦の试合后、胜者の列がぞろぞろとベンチからロッカーに引き扬げるなか、
林はたった1人、きびすを返す。グラウンドに向かって一礼していた。かつて日本でプ
レーしていた男の姿がそこにあった。